普通方式の遺言は3種類

近年、民法の大改正がなされました。その中で遺言に関するルールも改められました。遺言は民法という法律に定める方法で行わなければなりません。遺言は十五歳からすることができますが、交通事故や認知症などで判断能力が落ちてしまうと、どんなお金持ちでも遺言をすることができなくなります。以下の条文が根拠となっております。

第九六三条 

遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。

模範六法2023年版

能力とは、物事のルールを判断することができる位の能力が求められます。この位の能力が無くなると、遺言そのものができなくなってしまうので、終活などは定年前後のある程度早めの年齢から始めることをお勧めします。普通方式の遺言には3つの種類があります。

①自筆証書遺言

あくまでも自分で全文、日付及び氏名を自署し、これに印を押すものです。これまでは、財産の目録も自署が求められましたが、先般の民法改正で財産目録についてはワープロソフトなどの利用が認められるようになりました。

 <メリット>                                 費用がかからないで、いつでも書くことができる。自分だけの秘密が守れる。

<デメリット>                                法的な不備があると無効になる。病気などで字が書けない人は利用できない。遺言書を見つけてもらえないと、自分の遺志が実現できない。

②公正証書遺言

遺言の内容を公証人に口述筆記してもらうので、遺言を公証役場と本人で保管するため、紛失の危険性や遺言書を見つけてもらえなくなる可能性が少ない。病気の人は、手話や通訳で遺言を作成することができる。

 <メリット>                                偽造の疑いを受けることがない。

<デメリット>                                費用がそれなりにかかる(公証人への報酬など)。証人と公証人には遺言の内容が知られる。

➂秘密証書遺言

本人が書くことが望ましいが、誰でも書くことができる。本人が作成したことを、公証人と証人2人以上に証明してもらう遺言。

 <メリット>秘密を守りやすい遺言。証人がつくので、内容にも信憑性がある。

<デメリット>遺言を書く人が遺言の知識がないと、内容不備の可能性がある。

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