遺言について5回連載で、詳しく解説します。
法務局での遺言書保管制度のご案内
自筆証書遺言を安全に保管できる 「法務局の遺言書保管制度」 をご存じですか?
本制度を利用すると、遺言書の 紛失や偽造のリスクを防ぎ、相続時の「検認手続き」が不要 となるため、相続人の負担を軽減できます。
✅ こんな方におすすめ
- 遺言書を作成したが、どこに保管するか迷っている
- 遺言書の紛失や改ざんを防ぎたい
- 相続人がスムーズに手続きできるようにしたい
📌 制度のポイント
🔹 法務局に遺言書を直接預けて安全に保管
🔹 申請は 遺言者本人のみ (代理不可)
🔹 保管した遺言は いつでも撤回・変更が可能
🔹 相続発生後、相続人は法務局で遺言書の内容を確認できる
「制度の詳しい内容が知りたい」「手続き方法を知りたい」など、
ご不明点がございましたら お気軽にお問い合わせください。
📞 お問い合わせ先
[事務所名]行政書士川村秀俊事務所
[電話番号]0226-37-4776
📧 メールアドレス info@office-kawamaura.biz
🏢 所在地 宮城県気仙沼市東新城二丁目10-2アーバンビュウ・ゼファー103号
ご相談は無料です。お気軽にご連絡ください!
法務局における自筆証書遺言の保管制度
法務局の遺言書保管制度は、2020年7月10日から開始された制度で、自筆証書遺言を安全に保管し、遺言の紛失や偽造、隠匿を防ぐために設けられました。
この制度を利用すると、遺言者の死亡後、相続人は家庭裁判所での「検認」手続きを経ずに遺言書を利用できるため、相続手続きがスムーズになります。
制度の主な流れは以下の通りです。
- 遺言書の作成
遺言者が民法の方式に従って自筆証書遺言を作成します。ただし、法務局に保管する場合、封筒に入れたり封印したりせず、法務局が直接確認できる状態にする必要があります。 - 法務局への申請
遺言者本人が住所地や本籍地のある法務局に出向き、本人確認のうえ、遺言書を提出します。代理人による申請は認められていません。 - 保管証の交付
保管が完了すると、「遺言書保管証」が交付されます。遺言者は生前に遺言の撤回や変更も可能です。 - 相続発生後の手続き
遺言者の死亡後、相続人は法務局に遺言書の閲覧や写しの交付を請求できます。
余白の知識
遺言書の作成において、紙の余白は重要なポイントです。余白に後から何かを書き加えられると、偽造や改ざんのリスクが生じるため、広すぎる余白は避けるのが望ましいです。また、法務局に提出する際、適切な用紙サイズ(A4推奨)で作成し、改行や余白の取り方にも注意すると、読みやすく整理された遺言書になります。余白は最低限、上部5㎜、下部10㎜、左20㎜、右5㎜の余白を設けなければなりません。
遺言書がない場合に起こりうるトラブル
遺言書がないと、相続に関するトラブルが発生しやすくなります。主な問題点は以下のとおりです。
1. 相続人同士の争い(争族問題)
遺産分割は 法定相続分 に従って行われますが、相続人の意見がまとまらないと、話し合いが難航し、裁判に発展することもあります。特に、不動産や預貯金など分けにくい資産があると、対立が激しくなることがあります。
2. 望まない相続が発生する
遺言書がない場合、法定相続のルールが適用されるため、「特定の人に財産を渡したい」「相続させたくない人がいる」といった本人の意思が反映されません。例えば、内縁の配偶者や事実上の養子には法定相続権がなく、遺言がなければ財産を相続できません。
3. 財産の分割が難しくなる
不動産や自営業の事業資産がある場合、相続人全員の共有財産となることが多く、 売却するか、誰が単独で所有するか で揉めるケースがよくあります。また、相続税の納付が必要な場合、換金しにくい資産しかないと、納税資金を確保するのが困難になります。
4. 手続きが煩雑になり、時間がかかる
遺言書がある場合、指定された相続人が比較的スムーズに手続きできますが、遺言がないと相続人全員の同意が必要になります。特に、 相続人が多数いる場合や、所在不明の相続人がいる場合 は手続きが大幅に遅れ、資産の凍結状態が続くことになります。
5. 遺産の使い込みや横領のリスク
遺言がなく、遺産分割が完了する前に特定の相続人が 預貯金を勝手に引き出したり、不動産を無断で売却したり するケースもあります。遺産の管理が不透明になりやすく、トラブルの原因になります。
💡 トラブルを防ぐために…
遺言書を作成することで、 「誰に何をどのように相続させるか」 を明確にし、スムーズな遺産分割を実現できます。特に、自筆証書遺言を 法務局で保管する制度 を利用すると、紛失や改ざんを防ぐことができるのでおすすめです。